今回は初回でもあるので、まずはプログラムその物には踏み込まず、肝心の id software が公開したソースコードの簡単な紹介をしてみたいと思います。
しかし最初に言っておきたいのは、ここで言う DOOM は DOS ゲームとして発売された DOOM および DOOM2 の事で、DOOM3 や今後発売される予定の新DOOM (DOOM4 と呼ばれていたもの)の事ではありません。また、現在では id の公開したソースを元に様々なソースポートが作られていますが、それらはあくまで傍系なので、オリジナルの id のソースコードだけを考察対象とします。
さて、今しがた id の公開したソースコードを「オリジナル」と呼びましたが、残念ながらこの公開されたソースコード自体が、実は本当のオリジナルである DOS 版の DOOM を Linux にポートした物です。
何故そうなったかと云えば、id が DOOM を作る時にサウンドプログラミングだけは他社製のサウンドライブラリを使っていたため、そのソースコードが残る DOS 版のプログラムは契約上公開出来ないとの理由からだそうです。この事は、ソースコードに付随する John Carmack が
書いた readme.txt で述べられています。(この readme.txt は非常に重要で、本連載では何度か言及すると思いますので、勝手にソースコードのアーカイブから抜き出してアップさせてもらいました。)
その本体のソースコードのアーカイブファイルはこちらからダウンロード出来ます。
もちろんLinux版のソースコードなので、そのままではビルドは出来ないので、ほとんどの人にとっては無用かもしれませんが、やはり唯一の「公式」なソースコードですので、リファレンスとして持っている価値はあると思います。